万事よろしく頼む

「そうさ。こっちはこっちで向うの急所を抑えるのさ」「それもよかろう。おれは策略は下手《へた》なんだから、万事よろしく頼む。いざとなれば何でもする」 俺と山嵐はこれで分《わか》れた。赤シャツが果《はた》たして山嵐の推察通りをやったのなら、実にひどい奴だ。到底《とうてい》智慧比べで勝てる奴ではない。...

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新聞までも赤シャツか

「ああやって喧嘩をさせておいて、すぐあとから新聞屋へ手を廻してあんな記事をかかせたんだ。実に奸物《かんぶつ》だ」「新聞までも赤シャツか。そいつは驚いた。しかし新聞が赤シャツの云う事をそう容易《たやす》く聴《き》くかね」「聴かなくって。新聞屋に友達が居りゃ訳はないさ」「友達が居るのかい」「居な...

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山嵐が出頭した

 それから山嵐が出頭した。山嵐の鼻に至っては、紫色《むらさきいろ》に膨張《ぼうちょう》して、掘《ほ》ったら中から膿《うみ》が出そうに見える。自惚《うぬぼれ》のせいか、おれの顔よりよっぽど手ひどく遣《や》られている。おれと山嵐は机を並べて、隣り同志の近しい仲で、お負けにその机が部屋の戸口から真正面にあ...

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