子供の声にぎやかに

 おりから「姉《ねえ》さまが来たよ姉さまが」と子供の声にぎやかに二人《ふたり》の幼弟妹《はらから》走り出《い》で来たりて、その母の「静かになさい」とたしなむるも顧みず、左右より浪子にすがりつ。駒子もつづいて出《い》で来たりぬ。「おお道《みい》ちゃん、毅一《きい》さん。どうだえ? ――ああ駒ちゃん」...

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運命の坑《あな》黙々として人を待つ

[#5字下げ]九の二[#「九の二」は中見出し]

 運命の坑《あな》黙々として人を待つ。人は知らず識《し》らずその運命に歩む。すなわち知らずというとも、近づくに従うて一種冷ややかなる気《け》はいを感ずるは、たれもしかる事なり。 伯母の迎え、父に会うの喜びに、深く子細を問わずして帰京の途《みち》に上...

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病気の件《こと》です

「――病気の件《こと》ですよ、それからまた――おとうさんも久しく会わンからッてね」「そうですの?」 浪子は怪訝《けげん》な顔。いくも不審議《ふしぎ》に思える様子。「でも今夜《こんばん》はお泊まり遊ばすンでございましょう?」「いいえね、あちでも――医師《いしゃ》も待ってたし、暮れないうちがいい...

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